東方古文書会と今も昔もやっていることは同じかもしれないの話
手前味噌で恐縮ですが、東方古文書会というイベントを主催しておりまして。
ざっくり説明すると「もう最近の若い人には『往年のみんな知ってる東方二次創作』みたいなのないんだろうな!」「俺たちも忘れかけてるから改めて持ってきて懐かしむやつやるか~~」「インターネット老人会!インターネット老人会!!」みたいな会です。
読書会にプラスアルファして「みんなが東方に入ったキッカケ」とかを喋る軽いトークコーナーみたいなのもやっています。
東方昔いたけど今よくわかんねえな~的な人にも(古い作品ばっかなので)多分楽しめるイベントですので、Togatter見てご興味湧いた人は是非是非。
で、何故か初回から若い人、学生さんとかが割と参加してくれて大変ありがたい限りでして。
先日の第三回フラッシュトークで
「東方には高校生の時に買ってもらったスマホで見たYoutubeで知りました、今はYoutubeにゆっくりの動画をスマホで編集してアップしています」
って人が喋りまして。会場の方方から「やべえよ…やべえよ……」とおじさん達の呟きが聞こえていました。
そっっっっかあ………スマホが入り口は良いとして、動画もスマホで作ってんだあ……ひええ………
面白すぎたのでトーク終わったあとに本人に色々聞いて。
ぼく「プレゼン中に色々編集用ソフト紹介してくれてたけど、ああいうのって何処から情報仕入れるの?なんかサイトがあるの?」
若い子『基本的には自分で調べます、立ち絵画像の切り抜きがしたい、とかだったら(Appstoreに)「画像 切り抜き」って検索かけて、とりあえず上から順に使ってみて使いやすいのを選んでます』
わ、ワイがパソコン入りたての頃Vectorとか窓の杜でやってたことと同じことやってる~~~~~~~!!!!!!!
iOSは勿論高性能も高性能ですけど使用感的にある意味では不自由な感じ、私が最初に触った家PCがPentium4とかで(コレの内容自体割と新し目というかお前全然インターネット老人じゃないナというのは理解しております、ゆるして)なんかそれと一緒だなって気持ちになってしまってメチャクチャ親近感が湧いたというか。
この方とは違う学生さんはなんか中学生?くらいからYoutube投稿している、的な話を以前していて「住む世界が違いすぎる……で、でじたるねいてぃぶ………」ってなってたんですけど、その壁が急に取り払われた感じがありましたね。
インターネットに飛び込み、何かを成そうとした時のオタクの姿は今も昔もあんまり変わらないのかもしれないと。
まあ、こういうのはつい知らないものを同一化して自分を安心させようとするおじさんの悪い癖なので気をつけないといけないやつなんですが。そこそこに。
そういえば。先日の #東方古文書会 で思ったことなのですが、「東方界隈」は一巡してあの頃と同じ問題を抱えているのだな、と。
— 漂流いかだ(KOR)@例大祭G39b FamicomHomebrewer🤔 (@KOR_jiyugiga) April 8, 2019
「東方から同人文化を知ったけど、どうしていいかわからない」ですね。「同人イベント? なにそれどうすれば?」……私もそうでした。それこそ語らねばならぬのでは……
その若い方は発表を
「東方について知りたいけど、どうやって知ったら良いかわからない」
「(即売会に行っても)何処に行けば良いのかがわからない」
「だから私達に教えてほしい」
「面白い作品のことをもっとSNSとかで呟いてほしい」
と締めくくっていて。
恐らくそれに対するいかださん(自称紅魔郷新参(紅魔郷新参とは???))のツイートがコレで。
東方コミュニティ自体が今ある意味で一周をしたのかもしれないというのは少し前から思っていたことではあったんですよね。語り継ぎのタイミングみたいなものが此処暫くは続くのかなあとは思ったり。
この辺、老害的には「どうやって知るかじゃない、まず好きな作家さんを、自分の好きを見つけるのが同人ってもんだよ」って返したくなる所ではあるのですが。
ただ、それは間口を広げることにはならないし、なんとかして狭い門を通ってきた強い若者を更に大勢のオッサンがもみくちゃにしてダメにしていく光景とか、割と見てきたので。
なので、(賛否両論あるとは思いますが)ゲーム展示とかライブとかを即売会に併設している今の例大祭の運営スタイルをぼくは一概に否定出来ないんですよね。
ただ、そのカンフル剤自体は一定の効果を果たしたことは確かだけど、その先についてあまり考えがなされていないというか。(一イベント運営なのですから新規を増やすことこそが第一なので、その先は管轄外と言ってしまえばそれまでではありますが)
これからの問題は、そうやって「新しい形の同人」から入ってきた子をどのようにして「いままでの形の同人」に足を踏み入れてもらうか、そのまま定着させるか、あわよくば「同好の志に向けて自ら創作を始める」までに至らせるか、っていう動線を考えることなんだろうなあ、と。
こういうの、大体待ってても誰もなんにもやんないと言うか、ファンコミュならファンが始動しないと長くは保たないよねというのもなんとなく思うことではあるので。
古文書会は続けたいし、それ以外に上記に繋がることがあれば考えたりやっていきたいなあ、ってぼんやり思う今日この頃です。
新しいことを始めるにもマジで体が足りないのでコピーロボットの開発はまだなんでしょうか。